ヒメアノ〜ルを見た感想を今更

ヒメアノール見た。2回。

森田剛が主演だったから、という安直な理由で。
そんな軽いテンションで見たからかなりしんどかった

あれは森田剛じゃない、殺人鬼の森田くんだった。
森田剛を見るためにあの映画を見た人は後悔すると思った。私も後悔した。
だから2目は森田剛を忘れて見た。ますますしんどかった。


あらすじなどは散々あちこちで語られてるので端折ろう

森田剛を見たいが為に映画館に行った1回目の感想は絶望と狂気と普通の感覚を持ち合わせた役やらせるとこんなに似合う人森田剛以外にいるかよ…森田剛の中に絶対ヤバいやつ住んでるわ…
てか剛くんのトランクス姿最高ー!足ほそー!お尻ー!!
だった。我ながら頭が悪そうな感想で笑う。
でも、そうでもしないとあの映画を最後まで見られなかった。途中で森田くんが森田剛だということを忘れてしまいそうだった。森田剛を忘れてストーリーを真面目に追うには少々覚悟が足りなかったので終始森田剛を見ることに集中した。

2度目は覚悟を決めてちゃんとこの映画のバイオレンスに隠された部分を探してみた
2度目は森田剛が森田くんだともう認識していなかった。森田くんは日常にさらりと現れるただの殺人鬼だった。
森田くんがなにを考えてるのか、どうしてこうなったのか、ものすごく考えてしまって前回見た時よりしんどかった。

森田くんに対して殺人鬼っていう表現がどうしてもしっくりこない。
森田くんには人を殺す事に対しての抵抗がないだけに思えた。
欲求を満たすための殺人でもないし、憎しみをぶつけている様に見えない。
ただ、邪魔だからちょっどいてーって手で押しのける様な感覚で人を殺してる感じ。
まさにめんどくさいから殺していい?の状態
というかめんどくさいという感覚すら無さそうだった…

森田くんはなんでこうなったのか
分からない。
いじめが原因の様な描写や、いじめてた相手を殺した時の描写もあるけど、それだけじゃない気がする。
いじめとか、いじめの相手を殺した時から何か歯車が少しずつずれていた事は間違いないけど森田くんは歯車のズレを直すすべを持っていなかった、だから何気ない生活の不満も全て歯車をズラす要因になってあそこまで壊れてしまったのかな?と思った。

私自身生活していて歯車がなんか噛み合わないなーって思う事はあるけどどうにか修正がきく間に自分自身、周りの助けを借りて直せてるだけで、森田くんは修正が効かないところまで歯車がずれてしまっただけなのかな?と。

森田くんは自分が壊れかけている事に気づいていた様にも思える
どこかで止めて欲しいと思っていたのかもしれない。

私は漫画を読んでいないので森田くんの内面的な部分はほとんどわからない。憶測ばかりだけど。

森田くんの様な人って誰でもなりうる可能性はあると思う。理性とか、どこかブレーキがきちんとかかっているだけでそ何か転がり落ちるきっかけさえあれば私も森田くんの様になるのかもしれない。と思ってしまった
映画の内容よりバイオレンスな表現より何よりもそれに気づいた時が1番怖かった。

森田くんに対して怖い、頭がおかしい、可哀想、と色々な感想を抱くけど、彼の様な人を底辺だと見下すほど私には余裕がないのかもしれない。


1回目に見た時に森田剛森田剛による森田剛の為の感想を書く予定だったのが2度目に見て気がついたら森田くんに対する考察になってしまった。
しかもかなり感想を書くのには遅いタイミング。

どうしても感想を書きとめておきたい映画に出会えたので記念に。